東の空の金星
私はマスターの名刺と私の連絡先を確認し、

明日、ランチタイムが終わって少し暇になる16時に来店することを約束して店を後にした。

カフェ 凪 (なぎ)
店主 は三浦 将太(みうら しょうた)さん。
奥さんは遥香(はるか)さん

マスターは39歳。
鎌倉で長く続くお蕎麦屋さんの息子さんで、
もう1店舗は鎌倉の海の側にあって、
普通のお蕎麦屋さんをやっているらしい。
そこで朝に2店舗分お蕎麦を打って、後は元気なご両親に鎌倉のお店を任せて、
この店に奥さんと出勤するとの事だった。
「親父と毎日顔を合わせていると、喧嘩になるし、
しばらく、このままの生活を続けるつもり」
と笑った。


こんなところで、仕事が見つかるなんて自分でも驚きだ。

まあ、あそこの大理石の作業台が付いたキッチンが使えなければ、
勤める気はない…
4年も使用していないと言っていた気がするけど、
ものすごく勿体無い感じだ。

立派な業務用のオーブンが2台と大きな冷蔵庫も揃っていた。

私は、どんなパンを作ろうかと考えながら、
江ノ電のに乗り、
商店街のあった駅で降りて、不動産屋に入ることにした。

出来れば、お店に近い場所に部屋を借りたい。

店がオープンするまえにパンを焼き終えるなら、
朝早く出勤する必要があるのだから…。
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