東の空の金星
2月。

土曜日、一緒に朝飯を食べたのに、

残った仕事を済ませて家に戻ると、シマがいない。

そしてシマのキッチンにメモがある。

出かけてくる。弁当を作った。よければどうぞ。とか

…コレハナンダ?


シマが他の誰かのために作った弁当なんて食えないんじゃないか?


俺はため息とともに海を眺める。


今日は待ってもシマは戻らないのか?

控え室のソファーに転がり何度も考える。


誰か好きなオトコでも出来たのだろうか?

シマはやっぱり俺を男として見ていない。

…好都合だ。

いつまでも一緒にいられるんじゃないか?

仲の良い家族のように…

俺はそう望んだんじゃないのか?

シマが誰かのものになっても…
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