東の空の金星
月曜の朝。
目覚めると、シマが俺の髪をそっと梳いていた。
俺が片目を開けると、
「起きましたか?」と微笑み、

「一緒に海を見たくて…」と照れくさそうに言った。

「なんじ?」とシマを抱き寄せると、

「4時。いつも起きるじかん。」と言いながら布団を撥ねとばす。

やれやれ。

絶対起こすつもりだっただろう。

俺達は一緒にシャワーを浴びながら、
バスルームで短く交わって
夜明けの海を店の窓から一緒に見つめる。

「金星、綺麗ですね。」とシマは俺に寄り添う。

俺はシマをぎゅっと抱きしめ、

「愛してる」

と頭の上にキスを落とした。
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