東の空の金星
無人の電車の駅を見つけて、
3両編成のガタゴト揺れる電車に乗って、目的の海に出る。

穏やかな光る海。
学生の頃に桜貝を拾った事を思い出し、
波打ち際をゆっくり歩く。

あった。
薄いピンクの桜貝。
つまんで陽射しに透かすと、
桜の花びらにも見えてちょっと微笑む。

のんびり歩いて、道路につながる階段に座り、
海に出る前にコンビニで買ったサンドイッチを取り出す。

「あの、チョット。」とかけられた声に振り向くと、
さっき、桜の木の所で会った。
オートバイの人?

もしかして、
後を付けられてた?
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