東の空の金星
どうしようか…

さっきの胸の鼓動が
もう、答えを出している気がした。

誰に遠慮もいらないし…

「行きます。美味しいお蕎麦は嬉しいです。」

そう答えると、私を見つめる瞳は大きく微笑んだ。

「じゃあ、行こうか。」と海沿いの道から少し外れた道に入る。

「バイクじゃ、ないんですか?」

「さっき、海沿いの駐車場に止めたんだ。
直ぐ近所にあるから歩いて行こう。」

少し離れたふたりの距離が
出会ったばかりだと私に告げている。

新手のナンパ?
でも、桜の木の所で出会ったのは偶然だ。
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