東の空の金星
海に出て桜貝を拾ってのんびり歩き、階段に座り込む。

今日はサンドイッチはもちろん無しだ。

何度も道路に目を向け、オートバイを見つめてしまう自分に呆れる。



後は、最後の目的地だけ。

次のお蕎麦屋さんは辛い事実が待っているかもしれない。

そう思うと、足が震える。

ヤマトの地元。

そう言っていた。

お蕎麦屋さんの店員に聞けば

彼のことがわかってしまうかもしれない。

彼の事を知りたい気持ちと、事実を知りたくないという気持ちがせめぎ合う。

でも、もう、決めて来たのだ。



私は砂を払ってたちあがり、お蕎麦屋さんに向かう事にした。
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