東の空の金星
オーナーはお皿に取ったパンを残さず食べ、
苦しそうに息を吐く。
あんがい意地っ張りだ。
「その茶色いクロワッサンが好きだな。
毎日食べられるようになるのか」と嬉しそうに言うので、
「食べられませんよ。
それは店で出すと1個500円以上になるので、作るつもりはありません。
それにそんな風にバターのたっぷり入ったパンを毎日食べたら、
オーナーのコレステロールが心配です。」と言うと、
「おじさん扱いだな。」と機嫌の悪い声を出す。
「…。」私が声を出さずに笑うと、
「おい、シマリス。
週に1度くらいは食べても良いんじゃないか?」と私の顔を覗くので、
「じゃ、最高級のバターはオーナーの奢りで。」
としかめ面しい顔を見せておくと、
オーナーもしかめつらしい顔で頷いた。
よし。
これで店にもいくつか出せるし、私も食べられる。
私が片付けを始めるとコーヒーを淹れてくれ、
オーナーはコーヒーを飲みながら海を見ている。
もう9時になる。
1時間くらいは仮眠したい。
突然、ドアがバタンと開いて、
60代くらいの女性が入ってくる。
オーナーはハッとして、
「芳江さん、もう、そんな時間?」とドアを振り返る。
「大和さん、出勤が遅過ぎませんか?」と呆れた声を出す。
オーナーのまた階段をバタバタ 上がる音がする。
落ち着きのないオトナだ。
苦しそうに息を吐く。
あんがい意地っ張りだ。
「その茶色いクロワッサンが好きだな。
毎日食べられるようになるのか」と嬉しそうに言うので、
「食べられませんよ。
それは店で出すと1個500円以上になるので、作るつもりはありません。
それにそんな風にバターのたっぷり入ったパンを毎日食べたら、
オーナーのコレステロールが心配です。」と言うと、
「おじさん扱いだな。」と機嫌の悪い声を出す。
「…。」私が声を出さずに笑うと、
「おい、シマリス。
週に1度くらいは食べても良いんじゃないか?」と私の顔を覗くので、
「じゃ、最高級のバターはオーナーの奢りで。」
としかめ面しい顔を見せておくと、
オーナーもしかめつらしい顔で頷いた。
よし。
これで店にもいくつか出せるし、私も食べられる。
私が片付けを始めるとコーヒーを淹れてくれ、
オーナーはコーヒーを飲みながら海を見ている。
もう9時になる。
1時間くらいは仮眠したい。
突然、ドアがバタンと開いて、
60代くらいの女性が入ってくる。
オーナーはハッとして、
「芳江さん、もう、そんな時間?」とドアを振り返る。
「大和さん、出勤が遅過ぎませんか?」と呆れた声を出す。
オーナーのまた階段をバタバタ 上がる音がする。
落ち着きのないオトナだ。