東の空の金星
芳江さんと呼ばれた女性が私を見て、

「初めまして。シマさん。家政婦の芳江です。
大和さんの身の回りのことをしています。
お店が始まる前に2階で家事をしています。」

そうなんだ。

この家には、お手伝いさんがいるんだね

シマさん?
なぜそんな名前になってるんだろう。

謎だ。


オーナーはバタバタまた階段を降りて来て、スーツの上着を着て、ネクタイを締めながら、

「芳江さん、シマリスのパン。
『茶色い月』が美味い。」と玄関を出て行った。

はいはい。
プレッツェルクロワッサンの事ですよね。
気に入ってもらえて良かったよ。

…シマリスのパンって
リスがパンを作ってるわけじゃないですけど?

「芳江さんも召し上がりますか?」と聞くと、

「お昼にいただきます。」とちょっと微笑み2階に繋がる控え室のドアに入って行った。
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