東の空の金星
その4。機嫌の悪いシマリス。
夏だ。
真っ白な入道雲が海の上にもくもくと浮かんでいる。
昨日、遥香さんは陣痛が始まって慌ててタクシーで病院に行ったのに
だんだんと陣痛が収まってしまい、
病院から帰されてしまった。
仕切り直し。と言われたようだ。
もう、いつ産まれた来ても良いのに、のんびりした赤ちゃんだ。
周りの大人たちは一喜一憂で、オーナーまで早退して来ていたのに…
(まだ産まれないってわかると、仕事に戻ったけれど。)
まあだだよ。とかくれんぼをしているつもりなのかもしれない
うーむ。
いつ産まれるかわからないけど、
とりあえず、店を開けないと…
開店前に店の電話が鳴って、
マスターが慌てて電話に出る。
私もマスターの顔を見るけど、マスターは横に首を振る。
遥香さんじゃないらしい。
いつもならない電話が鳴ったのに…
人騒がせな電話だ。
「はい。お久しぶりです。はい。6名様ですね。
はい。お待ちしています。」と電話を切った。
「シマちゃん。大切なお客様。
2~3ヶ月に1回くらいここのランチを食べに来る。
桜子さんの主治医だった、
いわゆるホスピスっていうところの先生達。
6名さま。真ん中のテーブル、貸切にして。
あと、駐車場の扉を開けといて。
大和の車、仕事の時無いから、そこに車を入れるんだ。」
と私の手に駐車場のリモコンを渡した。
…特別なお客様。
こんな忙しい時に!
と思ったけど…私はいつも通りで、変わりがないんだけど。
つい、家族のようなつもりで、新しい命を心待ちにしている自分がいるのだ。
真っ白な入道雲が海の上にもくもくと浮かんでいる。
昨日、遥香さんは陣痛が始まって慌ててタクシーで病院に行ったのに
だんだんと陣痛が収まってしまい、
病院から帰されてしまった。
仕切り直し。と言われたようだ。
もう、いつ産まれた来ても良いのに、のんびりした赤ちゃんだ。
周りの大人たちは一喜一憂で、オーナーまで早退して来ていたのに…
(まだ産まれないってわかると、仕事に戻ったけれど。)
まあだだよ。とかくれんぼをしているつもりなのかもしれない
うーむ。
いつ産まれるかわからないけど、
とりあえず、店を開けないと…
開店前に店の電話が鳴って、
マスターが慌てて電話に出る。
私もマスターの顔を見るけど、マスターは横に首を振る。
遥香さんじゃないらしい。
いつもならない電話が鳴ったのに…
人騒がせな電話だ。
「はい。お久しぶりです。はい。6名様ですね。
はい。お待ちしています。」と電話を切った。
「シマちゃん。大切なお客様。
2~3ヶ月に1回くらいここのランチを食べに来る。
桜子さんの主治医だった、
いわゆるホスピスっていうところの先生達。
6名さま。真ん中のテーブル、貸切にして。
あと、駐車場の扉を開けといて。
大和の車、仕事の時無いから、そこに車を入れるんだ。」
と私の手に駐車場のリモコンを渡した。
…特別なお客様。
こんな忙しい時に!
と思ったけど…私はいつも通りで、変わりがないんだけど。
つい、家族のようなつもりで、新しい命を心待ちにしている自分がいるのだ。