東の空の金星
翌朝、私がパンを焼いていると、
「シマ、余計な仕事をさせて悪かったな。
小泉院長に無理を言われたんだろう。」と大和さんが顔を出す。
「余計な仕事じゃあ、ありませんよ。
営業活動です。
奥様に気に入っていただければ、
お友達と利用していただけるじゃないですか。」
「おお。シマ、積極的。営業部長にしてやろうか?」とくすんと笑う。
「笑い事じゃありませんよ。
ここが潰れたら、私はまた、仕事を探さねばなりません。」
「え?売り上げ悪いって聞いてないけど?」
「悪くありませんが、私はここが気に入っているんです。
好きなパンだけ焼いていればいいし、
土、日曜お休みなんて、パン屋にはありません。
儲かっていなければ困ります。」と怒った顔を見せておいた。
「じゃ、俺はまた、寝て待ってる。
今日も『茶色い月』が食えるんでしょ。」と控え室に入っていく。
…呑気なオーナーだ。
また、自腹の高級なバターが消費されたと言うのに…
自分の出費については、
ちっともわかっていない様子だ。
「シマ、余計な仕事をさせて悪かったな。
小泉院長に無理を言われたんだろう。」と大和さんが顔を出す。
「余計な仕事じゃあ、ありませんよ。
営業活動です。
奥様に気に入っていただければ、
お友達と利用していただけるじゃないですか。」
「おお。シマ、積極的。営業部長にしてやろうか?」とくすんと笑う。
「笑い事じゃありませんよ。
ここが潰れたら、私はまた、仕事を探さねばなりません。」
「え?売り上げ悪いって聞いてないけど?」
「悪くありませんが、私はここが気に入っているんです。
好きなパンだけ焼いていればいいし、
土、日曜お休みなんて、パン屋にはありません。
儲かっていなければ困ります。」と怒った顔を見せておいた。
「じゃ、俺はまた、寝て待ってる。
今日も『茶色い月』が食えるんでしょ。」と控え室に入っていく。
…呑気なオーナーだ。
また、自腹の高級なバターが消費されたと言うのに…
自分の出費については、
ちっともわかっていない様子だ。