東の空の金星
「鴨のつけ蕎麦、お願いしましす。
後はお茶を。」と注文すると、
「承知しました。」
とちょっとお腹を撫でながら、言ったので、

「何カ月ですか?」ときくと、
「7カ月に入ったんです。
なかなかの暴れん坊で…
パパに似たのかもしれません。」と笑いながらキッチンを振り返ったので、
さっきの男性の店員さんの奥様なのだとわかる。

「おふたりでお店をなさってるんですか?」

「だから、あんまりお客様が来ないように、そうっと営業してるんです。」とくすんと笑った。

チャーミングな笑顔だ。
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