東の空の金星
「で、俺は何をしたらいいの?」

「私がこのオートバイが起こせるように教えてください。
後、私がこのバイクを手に入れたら、乗れるようにメンテナンスしてください。
もう、4、5年そのまんまだって思うので…。」

「お嬢ちゃん。中型のバイクの免許とか…持ってるわけないよな。」

「いいんです。このバイクを起こすのにはなんの免許もいらないですよね。」

「まあ、いいか。それにしてもお嬢ちゃん小さいねえ。」

「毎日パンを焼く鉄板を持ち上げてるから、腕に力はあります。」

「…まあ、やってみようか。」と熊の山下さんが立ち上がる。

「よろしくお願いします。」と私は頭を深く下げた。


絶対絶対あのバイクを起こしてやる。

そして、あのオジさんを

過去から引っ張り出す。

私はそう決め、腕まくりをした。
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