東の空の金星
「ねえ、シマちゃん、藤原さんってシマちゃんのことが好きでしょう。
僕の前でシマちゃんを呼び捨てにして、
ワザと、頭を撫でていった。」と機嫌の悪い顔をする。

「べ、別にそういうわけでは…」と私が言うと、

「三島先生の素行を知ってれば俺も邪魔するかな。
だって、シマちゃんの事俺も好きだもん。」とマスターが笑う。


「ええ?ひどいな。俺ってそんなに信用ない感じ?
シマちゃん、なんであのオーナーと夕飯食べるの?」

「シマちゃんはここに住み込みで働いてるんだよ。
先輩の目を盗んでシマちゃんに会うのは大変だと思うけど?」

「シマちゃんって番犬付きなんだ。
なるほど。ますます燃えるねえ。」と呟いている。

…いや、大和さんは単なるパン好きなオーナーってだけですけど?

「…マスター、変な事この人に言わないでください。」

と怒った顔で店のテーブルを拭いて歩いた。


まだ、顔が火照っている。

大和さんにポンポンってされただけでしょう?

別に深い意味は無いって

どうした私!

とゴシゴシとテーブルを拭いた。



…シマちゃんなんか怒ってる?と

マスターと三島先生のヒソヒソ話すのが聞こえる。


私はムキになってテーブルを拭き続けた。

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