東の空の金星
「いらっしゃいませ。お久しぶりです。」とマスターが、驚いた顔を見せ、
女性3人のお客様を招き入れた。
「シマちゃん、小泉院長先生の奥様。」と私に紹介してくれる。
「初めまして。五十嵐です。いつも、パンのご注文ありがとうございます。」
と慌てて前に出て挨拶をする。
「あなたがシマちゃん?美味しいパンをありがとう。」
と上品なしっかりした感じの女性だ。
以前、院長先生に『茶色い月』を届けた後、
とても気に入っていただいて、
何度かご自宅にお客様が来る時に私のパンを注文してくれていたのだ。
いつもは電話だったので、お会いするのは初めてだったけれど…。
私は窓際の席に案内し、
「今日は何を召し上がりますか?
ランチの時間は終わってしまったのですけど…」
とお茶のメニューを出しながら、聞く。
3人のお客様はそれぞれ飲み物を注文し、
「今日はこの店を見に来たかの。パンは又、今度いただくわ。」と私に笑いかけてくれ、
「良いところでしょう?」と一緒に来ている女性達に言っている。
「そうですね。藤原さんと結婚する事になったら、
あなたのフラワーアレンジのお教室もできそうね。」
と隣の60代くらいの女性とが、30代後半に見える綺麗な女性に話している。
「お母さんったら、私と藤原さんはまだ、あってもいないでしょう。」
と笑った声の女性が返事をしている。
…大和さんのお見合い相手?
私はキッチンに戻りながら胸が苦しくなっていく。
「先輩のお見合い相手?」とマスターが私に聞いて来る。
「たぶん。」と私が頷くと、
「やっぱりねえ。」とマスターと三島先生が顔を見合わせる。
「今回は院長夫人がかなりオススメしている人なんだって。」
と三島先生は私の顔を見て、ニッコリ微笑んだ。
教えないでいい!と私は心の中で言って、
思い切り、三島先生に顔をしかめて見せた。
女性3人のお客様を招き入れた。
「シマちゃん、小泉院長先生の奥様。」と私に紹介してくれる。
「初めまして。五十嵐です。いつも、パンのご注文ありがとうございます。」
と慌てて前に出て挨拶をする。
「あなたがシマちゃん?美味しいパンをありがとう。」
と上品なしっかりした感じの女性だ。
以前、院長先生に『茶色い月』を届けた後、
とても気に入っていただいて、
何度かご自宅にお客様が来る時に私のパンを注文してくれていたのだ。
いつもは電話だったので、お会いするのは初めてだったけれど…。
私は窓際の席に案内し、
「今日は何を召し上がりますか?
ランチの時間は終わってしまったのですけど…」
とお茶のメニューを出しながら、聞く。
3人のお客様はそれぞれ飲み物を注文し、
「今日はこの店を見に来たかの。パンは又、今度いただくわ。」と私に笑いかけてくれ、
「良いところでしょう?」と一緒に来ている女性達に言っている。
「そうですね。藤原さんと結婚する事になったら、
あなたのフラワーアレンジのお教室もできそうね。」
と隣の60代くらいの女性とが、30代後半に見える綺麗な女性に話している。
「お母さんったら、私と藤原さんはまだ、あってもいないでしょう。」
と笑った声の女性が返事をしている。
…大和さんのお見合い相手?
私はキッチンに戻りながら胸が苦しくなっていく。
「先輩のお見合い相手?」とマスターが私に聞いて来る。
「たぶん。」と私が頷くと、
「やっぱりねえ。」とマスターと三島先生が顔を見合わせる。
「今回は院長夫人がかなりオススメしている人なんだって。」
と三島先生は私の顔を見て、ニッコリ微笑んだ。
教えないでいい!と私は心の中で言って、
思い切り、三島先生に顔をしかめて見せた。