恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
「忘れられたら、苦労はないよ。まだ、夢に出てくるもん」
「それでも、あのひとが好きになったんだね」
「…そうだね。困ったな。」
「奈々ちゃん、それってさ、
…お兄ちゃんより、好きってことじゃないの?」と、言われて私は驚く。

今日子ちゃんは続けて
「心の中にお兄ちゃんがいても、あのひとが好きになったのなら、
…お兄ちゃんとは、別れなきゃいけないんだよ。
二股は良くないと思うし。」

ふたまた?
私が?ビックリし過ぎて言い返せない。


「奈々ちゃんがあのひとが好きになったんなら仕方ない。
応援してあげる。
だいたいお兄ちゃんが、いなくなったのがいけないいんだから…
私は奈々ちゃんの事が好きで、
お兄ちゃんと別れたとしても、ずっと仲良しでいるって昔から決めてたから。
それでいい。」とニッコリする。

「応援してもらっても、
……えーと、リュウに恋人がいた場合、
即失恋って事になるんですけど」と笑いかける。

「そう?今は奈々ちゃんちゃんの方がそばにいるんだから、
彼女から、奪ってしまえばいいんじゃない?」

今日子ちゃんたら、すごい。私にはそんな勇気はないよ。と思う。
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