恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)

花火大会の夜

8月に入った。
毎週火曜日には誰かしらやって来る。
もちろん菅原先生は常連だ。

カツオのたたき、夏野菜のカレー、ラタトゥイユ、チリコンカン、
自家製ピクルスや、浅漬けは欠かせない。
ビールに枝豆、揚げたての、唐揚げ、かき揚げ、俵型のコロッケ
思いつくものを次々作ってみんなで食事をした。


今日の主役は餃子だ。
ひき肉のものと、エビを刻んだももの2種類作った。
お客様は、桜子先生と、山岸さんと、菅原先生だ。

山岸さんは
「菅原先生って、打たれ強いんだね。」と笑いかける。菅原先生は、
「根気がいいって、言って欲しいな。
ナナコちゃんが相手だと、我慢強くもなるよ。
結構鈍いし、それに邪魔する奴が目の前にいるし。」とリュウを見る。

「いつでも、来なくなって、大丈夫だぞ。」と、リュウは笑っている。

「だって、まだ、2人とも付き合ってる訳じゃ、ないんでしょう?
だったら、来なくなる理由はないよ。
ナナコちゃんの料理美味しいし。」と、私を見て笑う。

私はキッチンで餃子のタレの味を見ながら、
なんて返事をしたらいいのかわからず、
知らないふりをしておく。


「できましたよ。」とテーブルに運ぶ。
最近折り畳みの椅子とテーブルが柳部長から突然送られてきた。
(この人も勝手な人だ。)

ソファーを少し動かすと8人並んで座れるようになっている。

枝豆とクラッカーにチーズで先に飲んでいたところに
ナスの煮浸し、小松菜の胡麻和え、野菜のピクルスを添えて並べ、

羽根つきにパリッと仕上げた餃子を大皿にだすと、
「おー!」と声が上がる。

今日も楽しい夕食になった。
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