恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
「ナナコちゃん、リュウに他に恋人なんていないと思うよ。
多分、リュウはナナコちゃんが、修一君から卒業するのを待ってるだけだと思うんだけどねぇ。
そのネックレス。自分で外せる?」と私の首に付いている修一のネックレスを指差す。


「…私はこのネックレスをしていることで、
修一に守られていて、1人じゃないって、そう、思うようにしてきた。
でも、もう、1人で生きていける。
リュウや、家族や、友人達が私を思ってくれているってわかったから。
きっと、ちゃんと自分のために生きていけるって思っています。
…1人になる、って覚悟が出来たら外します。
そうしないといけないって分かってるから」と、桜子さんの瞳を見つめていうと、

「1人にはならないよ。
私のことも忘れないでね。
ずーっと仲良しでいたい。
ナナコちゃんのご飯食べられなくなったら困るし…」と桜子さんは笑うので

「失恋したら、やけ食い付き合ってくださいね」と微笑んでおく。

リュウにはここに来た時にはもう、「心に決めた人」人がいた。
私は…友人にすぎない。
そう、思っても、
リュウを好きという気持ちはなくならない。

桜子さんはまだ
「いや、失恋するって、ありえないでしょ、
そんな事になったら、リュウとは絶交だ!」

って、言っているけど…


そんな事

って、結構あり得ると思うんですけど…。
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