恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)

あいかわらず強引です。

朝だ。
窓から入ってくる日差しが、眩しい。
カーテンがまだ付けられていない部屋に、いっぱいに陽が射している。何時だろう?

真新しいダブルベットで目が醒める。

昨日のリュウも激しかった。
と、そっと思い出すだけで赤面ものだ。

やれやれ。


リュウの腕から抜け出そうとすると、引き寄せられる。
「勝手に出て行くの禁止」と耳を甘噛みしてくる。

くすぐったい。

「外、見たいの」と言うと、何度かキスをしてから、
「ちゃんと、服着てね」と腕を離してくれる。とりあえず、ガウンを羽織って、窓の外にあったサンダルを履いてバルコニーに立つ。
私の好きな大きな川が光ってみえている。

「リュウ、川がみえる。」と、嬉しくなって振り向くと、
「そ。この部屋に決めたポイントのひとつ。ナナコの好きな川がバッチリ見える」とベッドに座って笑っている。


「そんな、格好だと、風邪を引くぞ」と、上から声が降ってくる。
誰?と驚くと、山岸さんだ。
階段状に内側に入った2階部分ののさらに上が、バルコニーになっているのかも。

う、上の階に住んでいるの?と、
自分がガウンだけしか着ていないのに気づき、慌てて、部屋に駆け込む。

「リュウ、山岸さんがいた!」と、リュウに飛びつくと、
「だから、ちゃんと、服を着てねって言ったじゃん。」と笑った。
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