恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
驚く私に、
「27階のペントハウスが桜子と壮一郎の新居。うちが25階と26階に家があるからすぐ上の階って事になるね。
いや、俺も昨日バッタリ会って、驚いたんだよ。まあ、ここはもともと東野家の土地だったのは不動産屋から聞いてたけど。
…そう考えれば、最上階に東野家の誰かが住んでもおかしくないよな。
でも、まさか、桜子達が住むっていうのは想定外だったね」と言って笑った。そして、
「ナナコ、この部屋嫌?引っ越したい?」と真面目に聞いた。

私は横に首を振る。
「驚いただけだよ。
別に一緒に住むわけじゃないし、
近所って事でしょう?
私はこの部屋がいいな。
ご近所に知ってる人がいると心強いんじゃないかな。」と言うと、リュウは頷いて、

「まあ、どっちの家族も忙しいだろうから、そう会ったりしないんだろうな。
今までの付き合いとそう変わらないと思うよ。」と言って、


「さて、今日は忙しいぞ。シャワー浴びて、朝メシにしよう」と私のてを引いた。

昨日は、あまり部屋をみれなかったので、2階部分を探検する。
3部屋あって、ひとつは和室。
廊下を挟んでバルコニー側にある2つはフローリングの部屋。
きっと、子供部屋の感じだ。
どの部屋も広く明るく収納も十分にある。
まだ家具は何もないのでがらんとして、新しい部屋の匂いがする。
あと、物置のような広い収納スペースと、
和室の側にはトイレとシャワールームとミニキッチンもあって、お客さんが来たら重宝するかもしれない。
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