恋人未満のルームメイト（大きな河の流れるまちで。リメイク版）

忙しいです。

翌朝、リュウの弟から連絡があり、時間が取れたからと、午後の3時お茶の時間にリュウの実家に訪ねことになった。

私は連絡があってからソワソワと落ち着かつかず、リュウに笑われる。
「うちの人達普通の人だから」と、言うけど、聞くと、都内のよく聞く高級住宅街に実家はあるらしい。

「格好つかないから、エンゲージリング買ってから行こう。」とリュウは笑う。

朝食を済ませると、急いで出かける用意をする。
今日は黒に金色の糸が混ざった上品なのシャネルスーツに卵色のフリルのついたブラウスを合わせ、服と合わせて置かれていた、黒とベージュのコンビの大人っぽいデザインされたリボンが付いたローヒールと、バンブーの持ち手が特徴の黒の小さめなショルダーバッグを持った。
バッグと靴はお揃いのブランドだ。

リュウは濃紺の地にストライプが入ったスーツと仕立ての良い身体にピタリとあった、白のボタンダウンのシャツを着ている。
真剣な顔で寝室に置かれた大きな鏡の前で、後ろ姿を点検する私を抱きしめ、
「どこから見ても、俺の奥さんに見える。」と笑って、頬にキスしてから、私の手を取って歩き出す。