恋人未満のルームメイト（大きな河の流れるまちで。リメイク版）

私の料理が好きと言ったリュウの言葉に、
優姫ちゃんが、私は大学を卒業して、すぐここに来たので、
…料理ってした事がなくって。と言って、
教えて貰えますかと私に聞いた。
家庭料理ですがと言うと、お願いします。と頼まれる。

慎也さんは「優姫ちゃんの手料理を食べられるなんて思った事もなかったよ。」と笑いかけ
、楽しみにしてる。と言って彼女の頭をポンポンと撫でた。

ナルホド、こういう夫婦もいるのね。と思う。

リュウといるとびっくりさせられる事が多い。
優姫ちゃんが、去年から通っているパン教室
（包丁は使わないので大丈夫と言った）で覚えたパンを教えてくれると言って
仲良くなれそうだ。

今度お邪魔する時に簡単な料理を一緒に作ろうね。と約束してリュウの実家を後にした。


私は車の中で盛大にため息をつく。

「フツーのひとだったでしょう」とリュウに言われて、

「育ってきた環境が違いすぎる気がするけど、
でも、仲良くなれそうな気がした」と正直に言う。


「大丈夫だよ、俺とも仲良くできてるじゃん。」とリュウは笑って、ハンドルをきった。