恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
ただ、リュウは熱い視線や、周りの思惑には全く無頓着だ。
「ナナコぉ、今日は夕飯何にする?」
とリュウがこの町にいる日は毎日のように声をかけてくる。
仕事終わりや廊下で出会った時に、
時にはわざわざ病棟を訪ねてきたりもし、
私が務めでない日は電話やメールで。
そして、周りに誰がいても気にしない。
私達は、なぜか公認のカップルのようになってしまい、
私を夕飯などに誘ってくれる人がいなくなってしまった。
今日も救急外来での勤務が終わる頃、
桜子先生とリュウは一緒に患者について話していたはずなのに、
私が通りかかると大声で誘って来る。
「リュウ先生、他の人もたまには誘ったら」 と半分怒り気味で返すと、
「だって、俺、看護部長にナナコを丸々太らせるって約束してるし、
他の女は気を使って面倒臭い。」と渋い顔をする。
「私にも、気を使ってくれていいんですけど、」と返すと、
「もしかしたら、食事に誘いたいオトコでもいるの?」
とニッコリとされてしまった。
言葉に詰まる私に、
「やっぱり、いないんじゃん」と私の腕を掴んでサッサと歩き出した。
桜子先生はクスクス笑って、私に手を振り。
「ナナコちゃん、リュウを、ヨロシク」と、言うのだった。
確かに、私には、好きなオトコはいませんけど、
リュウにはいるんじゃないの?
首にかかったチェーンには、10年振りに会った時、
右の薬指にしていたリングが通されているのを私は知っている。
「ナナコぉ、今日は夕飯何にする?」
とリュウがこの町にいる日は毎日のように声をかけてくる。
仕事終わりや廊下で出会った時に、
時にはわざわざ病棟を訪ねてきたりもし、
私が務めでない日は電話やメールで。
そして、周りに誰がいても気にしない。
私達は、なぜか公認のカップルのようになってしまい、
私を夕飯などに誘ってくれる人がいなくなってしまった。
今日も救急外来での勤務が終わる頃、
桜子先生とリュウは一緒に患者について話していたはずなのに、
私が通りかかると大声で誘って来る。
「リュウ先生、他の人もたまには誘ったら」 と半分怒り気味で返すと、
「だって、俺、看護部長にナナコを丸々太らせるって約束してるし、
他の女は気を使って面倒臭い。」と渋い顔をする。
「私にも、気を使ってくれていいんですけど、」と返すと、
「もしかしたら、食事に誘いたいオトコでもいるの?」
とニッコリとされてしまった。
言葉に詰まる私に、
「やっぱり、いないんじゃん」と私の腕を掴んでサッサと歩き出した。
桜子先生はクスクス笑って、私に手を振り。
「ナナコちゃん、リュウを、ヨロシク」と、言うのだった。
確かに、私には、好きなオトコはいませんけど、
リュウにはいるんじゃないの?
首にかかったチェーンには、10年振りに会った時、
右の薬指にしていたリングが通されているのを私は知っている。