恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
第1章 思いがけない再会。

桜が咲いています。

桜の花びらが風に乗って舞っている。
いい天気。

レストランのバイトは明日の深夜0時から朝まで。

暖かい日差しの中、川沿いのランニングコースをゆっくり歩く。

レストランの深夜のバイトは時給がいい。
時間に不規則な生活には慣れているし、
平日休みならデパートや、映画館も空いていてお得な気分になれる。

時にはこんな色とりどりの帽子をかぶって
保母さんに手を引かれて元気に歩く、小さな子供たちのお散歩にも出会える。

私は子どもが好きだ。
一生懸命な瞳に惹かれて小児病棟に勤務した。

きっと向いていたのだろう、
仕事でどんなことがあってもやめたいとはおもわなかった


勤めていた東野記念病院は地元の資産家である東野家が50年前に創立した病院だ。
地域のために作られていて内科、外科、整形外科、小児科、そして救急外来でなりたっている。

3代目の院長は救命医で、今は救急外来に力を注いでいる。

看護師は3年目になったら交代で
夜間は自分の病棟と、救急のナースとして勤務することになっている。

救急外来の勤務は苦手。
子どもと折り紙を折ったり、日常生活のお世話をしたりするようにはいかない。

救命医の指示や優秀な救急外来専属ナースに従って、自分の不甲斐なさを思う存分堪能できる。

小児病棟にだって緊急時はあるけれど、

あんなにピリピリした時間が続くことはない。
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