恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
え?
そうなの?


「6ヶ月後には、常勤になるからさ、
それまでにはちゃんとした家、キチンと探そうと思ってる」
とリュウは続けて言った。


「ちゃんとした家?」と思わず聞いてしまい、

「俺、もう、37歳よ。
ローン組んで返すのって、25年?30年はどうなのかって思う訳だよ。
家を持つのに出遅れてるくらいじゃないかなー?」と笑う。

部屋じゃなくて、家。
家にはひとりで住むって訳ではないよね。
きっと。

…そっか、6ヶ月。

私が仕事に戻れるように組まれた6ヶ月のリュウのプログラム、
リュウが常勤になる時期と一緒だ。

そうか、6ヶ月後には私は独り立ちできるようになる。
きっと、お互い常勤になったら、
すれ違って、こんなに会う事もなくなるだろう。

それに…
その頃には、探した家で
約束している相手と一緒に暮らすようになるって事だよね。


そうか…
…頑張らないと、

リュウがそばにいてくれる6ヶ月の間に
なんとか仕事が続けられると自信をつけなければ…と自分に言い聞かせる。

真面目で、親切なリュウ。
大切な古い友人。

その頃までには、私はひとりでも周りに心配されないようにならなければ…
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