恋人未満のルームメイト（大きな河の流れるまちで。リメイク版）

「お医者さんってさ、
きっと、美味しいもの食べ慣れてて、
お金があって、
贅沢に暮らしてるって、思われてるから、
女の子達、すごーく背伸びして、頑張ってたんじゃあないですかね。」

「…ナナコもそう思ってる？」私は首を傾ける、

「私？私は実際一緒に仕事してるから…
うーん、生活は不規則だし、
休みでも、呼び出されることもあるのは知ってるし、
お金は持ってると思うけど、
使う暇がないって感じ？
休暇は順番だから、家族と休みが一緒にとれるのかなあ、
あ、そうそう、自分の夫が医師だったら、
若くて、可愛い看護師が毎年沢山入ってくるから、
浮気っていうか、…心配になるかもしれない。」
と思いつくままに言い、

リュウの顔を見て、アッと思う。

…リュウもお医者さんでした。

明らかにムッとしているリュウは、
「お代わり」と炒り豆腐が入っていたお皿を差し出す。

失敗した。と思いながら冷蔵庫に入っていた炒り豆腐をよそい、
テーブルに戻って、そして、言い直す

「でも、私の知っているリュウ先生は、尊敬できる。
的確な判断と治療で。
患者さんにもきちんと理解できるように話せ安心て出来る。」
と、わかりやすく褒めてみる。