恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
菅原先生の行きつけの
地下にあるBARは落ち着いた大人の雰囲気だ。

静かにジャズがかかっている。
カウンターのバーテンから「いらっしゃいませ」と声がかかる。

菅原先生は奥のカウンターの席を見て
「あそこでいいかな」と私に聞いて席に着いた。

「お腹空いてるから適当に食べる物と…
上川さんアルコール飲まないのかな?」

「少しなら…あまり強くない、甘くない物で」と頼むと、
白のワインを炭酸で割った物がだされた。
菅原先生の前にはウィスキーのロックが置かれる。

一応グラスを合わせ、乾杯と言った。

「よく来るお店なんですか?」と尋ねると、
「1人で飲みたい時にね。」と笑った。

「尾崎先生とは、あまり飲んだりしないの?」と聞いてくるので、
「リュウ先生は、私を健康に太らせる事を使命みたいに考えているので
食べるが、優先かな。
ビールくらいは飲む事もあるけど、
気になる患者さんがいる時は飲まないみたい」と答えた。
彼は
「へええー、噂どうり熱心な医師だね。
勤務じゃなくても、病院に行ってるんだな」と笑う。そして

「ううーん、そんな事してたら、
大事な物がなくなるって思ってないんだな」と、呟き、
「ぼくは、そんな事をしてて、
奥さんに愛想を尽かされたんだよ」と私に笑いかけた。

私はどう返事をしたらいいのか、わからない。
< 81 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop