恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
もう少し飲んでから帰ると言った菅原先生を置いて店を出る。

山岸さんの後ろを黙って歩く。
24時間営業のファミレスの前で山岸さんが立ち止まり、
コーヒー飲もうかと私の顔を見た。

席に座ると、
「邪魔して悪かったね。」と言って、

「菅原先生、結構本気なんだな。
ナナコちゃんのために他の子と別れるっていってたでしょ。
僕は、4人目のオンナにするんじゃないかって心配してたんだけど…
そうじゃなさそうだ。」とにっこりする。

「4人目って何なんですか?」とジロリと睨むと、

「独身の医者はモテるって話。
まあ、お子様のナナコちゃんや、リュウには関係なさそうだけど。
後ね、言っておこうと思って、
リュウにルームシェアを勧めたのは、桜子先生だよ。」

「?」

「ナナコちゃんが、どうしたらスムーズに仕事に戻れるかって、
リュウは結構悩んでいて、
先ずは、生活を整えることだろうって話になった訳よ。
食事、睡眠、適度な運動。
サポートするには一緒に生活するのが手っ取り早い。でしょう?
リュウは強引過ぎて、嫌われるかもってわかっていても、
ナナコちゃんが仕事にキチンと戻れる可能性が高い方を選んだ。
健気でしょう。」と真面目な顔をしてから


「今日は随分リュウに協力しちゃったな。」と言い、にっこりした。
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