恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
「良い奥さんみたいだ。妬けるな」と笑いながら、菅原先生は冷蔵庫から水を取り出して飲んでいる。

「そんなことないですけど…」と、口ごもると、

「ところで、冷蔵庫に入ってるタッパーは今食べられるものかな?
あまり食べなかったからお腹が空いてきた。
リュウ先生担いで、運動したしたし…」と聞いてくるので、

「お腹空いるんなら出しましょうか?残りモノですけど」

と返事をして、冷蔵庫から、タッパーを出して、中をみせる。
ほうれん草とにんじんの白和え、
牛肉とゴボウの甘辛煮と、筑前煮だ。

菅原先生は
「どれも手作り?和食屋さんみたいだ。
美味しそうだね。」と嬉しそうに笑う。

私は少しずつ盛り付けてテーブルに並べ、お茶を入れるためにお湯を沸かした。

「尾崎先生はズルいな。
いつもこんなに美味しい物を食べてるんだ。」といって食べながら、

「ぼくも、本気出して、上川さんを口説かないと。ね」と、私に笑いかける。

私のお茶を出したてをそっとつかんで、

「尾崎先生と約束したんだ。
上川さんが嫌がる事をしなければ 、誘ってもいいって言ってくれたよ。
まあ、上川さんの勤務に支障が出ないように、
とも言われたんだけど、…。
ぼくは他の女の子たちとちゃんと別れたから、
上川さんを口説いてもいいらしい。
尾崎先生の方が、ものすごく、優勢に見えるけど、
あの人結構お人好しだね。
ぼくがルームシェアなんて、フェアじゃないって言ったら、
ちょっと、落ち込んでたな。
こんな風にぼくをここに連れて来るなんてね。」

クスリと笑って、私を引き寄せる。
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