恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
救急外来に到着すると、

「ここにいてください。」と顔見知りのナースに腕を掴まれ、大きな処置室の入り口に座らされ、

「いつの間にこんな大きな子を産んだんだ?」と失礼な挨拶をする救命の医師や、

「少しは顔色が良くなったかな」とハグしてくれる主任ナースをしている涼子先輩や、

「いつ帰って来てくれるんですか〜、もおお、大変なんですうー」

という、すっかり、一人前になった後輩たちや、仕事仲間が次々に目の前にやってきて、口々に挨拶をしてくれる。

私は胸がジンとしてしまった。


私が自分のことで、いっぱいっぱいだった間、みんなはキチンと仕事をし、
どんどん成長していたのだ。

そして、子どもをなだめすかし、笑わせたりしながら、どんどん処置は進んでいく。

やっぱり、優秀なチームだ。

改めて思いながら、

私にはもう、関係ないのかもしれないな。

少し寂しくも思ってしまう。


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