恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
リュウは、ふと気付いて、目を開けて、
「ナナコ、手ぇ冷たい」
と握り合ってた手を引っ張り、ソファーベットに私を倒す。

目の前にリュウの顔がある。

「こ、コラ、リュウ!」と私が焦っていうと、

「襲わないから、もう少し、ここに居て。」

と自分に掛かっていた布団をはいで、隣りに寝せた私にかぶせ、
そして、布団越しに腕を回して私を抱きしめる。

「今日だけ、ここに居てほしい」とリュウは言って目を閉じてしまう。

「…ひとりじゃなくてよかった。」と呟いた。



私はゆっくり息をはく。

リュウの腕の中は安心だ。

私は黙ったままで、彼の癖のある髪を何度も撫でた。

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