恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
木曜日。
朝アルバイトから帰ると、リュウが待っていた。
「随分、早いいんだね。」というと、
院長に仕事を頼まれた。と言う。
院長の友人で、終末期の癌患者さんが、ついさっき亡くなったらしい。
在宅で往診していた院長が死亡の確認を頼まれたのだが、
院長は地方に出張の為、リュウに話が回ってきたという事だ。
ちょうど勤務が終わるところだったし、院長に信用もされていた。
「ナナコ、エンゼルケア(死後の処置)頼めるかな?」
看護師もひとり付いて行って処置して欲しいとのこと。
「しばらく、していないけど、大丈夫だと思う。私でいいの?」と聞くと、
「俺はナナコに頼みたいんだよ。」と言った。
2人とも暗めのスーツに着替え、病院に向かう。
病院に着くと、山岸さんが待っていて、必要な書類が渡された。
その後、エンゼルケアの処置セットを持った涼子先輩から、注意点など、再度確認し、
迎えの車に乗り込む。
山側に30分位走ると大きな屋敷に着いた。
中堅の会社の社長さんだった患者さんの家は、
家族以外のスーツ姿の人達が沢山いた。
奥の大きな和室に通される。
疲れた表情をした、家族に囲まれて、介護用のベットに横たわる、男性の姿があった。
「わざわざ、ご足労いただいて、申し訳ありません。」
と息子らしい男性が頭を下げる。
在宅の年配の看護師が、私と、リュウに説明をしながら、
ベッドに案内した。
リュウは、上着を脱ぎ、診察をする。
確認をした後、家族に死亡していることを告げた。
家族たちは声を上げて泣き、男性の手や、身体を、撫でてすがり付いた。
私は、故人が家族に愛されて亡くなったことを思い悲しくなる。
きっと、これからも、長く悲しい日々が続くのだ。きっと。
朝アルバイトから帰ると、リュウが待っていた。
「随分、早いいんだね。」というと、
院長に仕事を頼まれた。と言う。
院長の友人で、終末期の癌患者さんが、ついさっき亡くなったらしい。
在宅で往診していた院長が死亡の確認を頼まれたのだが、
院長は地方に出張の為、リュウに話が回ってきたという事だ。
ちょうど勤務が終わるところだったし、院長に信用もされていた。
「ナナコ、エンゼルケア(死後の処置)頼めるかな?」
看護師もひとり付いて行って処置して欲しいとのこと。
「しばらく、していないけど、大丈夫だと思う。私でいいの?」と聞くと、
「俺はナナコに頼みたいんだよ。」と言った。
2人とも暗めのスーツに着替え、病院に向かう。
病院に着くと、山岸さんが待っていて、必要な書類が渡された。
その後、エンゼルケアの処置セットを持った涼子先輩から、注意点など、再度確認し、
迎えの車に乗り込む。
山側に30分位走ると大きな屋敷に着いた。
中堅の会社の社長さんだった患者さんの家は、
家族以外のスーツ姿の人達が沢山いた。
奥の大きな和室に通される。
疲れた表情をした、家族に囲まれて、介護用のベットに横たわる、男性の姿があった。
「わざわざ、ご足労いただいて、申し訳ありません。」
と息子らしい男性が頭を下げる。
在宅の年配の看護師が、私と、リュウに説明をしながら、
ベッドに案内した。
リュウは、上着を脱ぎ、診察をする。
確認をした後、家族に死亡していることを告げた。
家族たちは声を上げて泣き、男性の手や、身体を、撫でてすがり付いた。
私は、故人が家族に愛されて亡くなったことを思い悲しくなる。
きっと、これからも、長く悲しい日々が続くのだ。きっと。