恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
大きなショッピングモールに着くと
のんびり歩いて私の服を見る。

カジュアルな普段着だ。
メンズも、キッズも一緒の店舗に入っているこの店は、
私が住んでいる駅ビルにもあるけれど、ここは品数が豊富で選ぶのが楽しい。


私が、スクエアに開いた襟のシャツを手に取り、色で迷っていると、
「コッチ」とリュウが白を選んだ。

私も白だと思ってましたよ。

でも
「そうする」といいながら、気があったみたいに思えて少し嬉しい。

リュウは笑顔で手に持ったカゴにシャツを入れた。

私がTシャツを2枚、シャツを2枚選んでいる間に、
リュウはとっくに自分のTシャツを3枚選び終え、
どこかののお姉さん2人に話しかけられ、笑顔を見せている

…そうですよね

彼のようないいオトコが所在無げに立っていたら、
店員さんじゃなくても、話かけたくなるよね。

リュウは呆れた私に気がつくと、
「ナナコ遅いよ。
ここにいると俺、ナンパされまくり」と私に近づき、肩に腕を回して来た。

と、オネーサン達は怒った顔をして、去っていく。


「ナナコ、ヤキモチ妬いた?」と呑気に尋ねるので、腕を乱暴にどけ、

「妬いていません!」と思わず、怒った声が出た。


ワタシハ、ヤキモチヲヤイテイルノカ?

自分の気持ちがわからない。

そして、カゴの中から自分の服をつかみ取り、レジへ急ぎ足で向かった。
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