あの日失った想い
「由佳里、あんたどうしてそんなにすごいの?」



「へっ?」




仁美が口からこぼした言葉は、私の想像と違っていて、変な声が出てしまった。




「私、すごくないよ!それに私からしたら、仁美がすごいと思うよ!」




「何か出来るからすごいとはかぎらない。




由佳里のすごいところは、人の心に勇気を与えてくれること。




そして、誰にでも手を差し伸べる優しさ。




人間にとって大切なこと。私は何度もあなたに救われたわ」






そんな風に思っていてくれたんだ。全然、思いもしてみたかったよ。





でも、ありがとう。仁美。

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