あの日失った想い
「はぁー」


今朝のことがあって、全く体に力が入らない。



校長の話も右耳から入って、左耳に抜けていった。



「由佳里〜大丈夫?」


「うーん、まぁなんとかね」




仁美が優しい気遣いに、私は出来るだけ笑顔で答えた。



「そう?私ね、今日から部活あるの。だから、一緒に帰れないの。ごめんね」




仁美がシュンとした。それが私にはあまりにも可愛かった。





だから私はそれを遊ぶかのように仁美の頭をクシャッと撫でた。



「吹部大変だね〜。大丈夫よ!頑張ってね!」



「ありがとー!じゃ、また明日ね!」




私が大きく頷いて、仁美と離れた。







さてと、私も帰ろー!
仁美と話したら、なんか元気でちゃった!



「花咲!」



私がバッグを肩にかけた瞬間、私を呼ぶ声が響いた。



声の主の方を見てみると、金髪のキラキラした男の子が立っていた。

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