あの日失った想い
それから、修学旅行はいろいろあったものの、楽しくなかった。
仁美とハルの前でも無理して笑い、心配をかけないように努めた。
もちろん、郁麻とは一言も会話をしなかった。
…いや、少し違う。話しかけられそうなタイミングはあった。メールも少しは届いた。
でも、全てから私は避けた。逃げ出したのだ。
だって、決めたの。
『郁麻には関わらない』って。
ねぇ、言ったでしょう?神様。
私は真面目ではなくなった。
うんん、その表現も今は少し違う。
私は結局自分がかわいいんだ。だから、傷つくのが嫌で、狡い行動をとったんだ。
私、もう変われなくなっちゃった。
郁麻と関わって、狡いことばっか覚えてしまった。
私はダメな人間だ。何も無いし、心まで汚れてしまった………