あの日失った想い
「郁麻…由佳里の元へ行ってこい。もう、手遅れかもしれない。

由佳里から、拒否られるかもしれない。でも、お前は行かなくちゃいけねぇ」


ハルは俺に低い声で言うと、泣いている仁美を抱きしめていた。



俺は急いで由佳里の元へ急いだ。






俺はなんてバカなことをしたのだろう。

あの現場を由佳里が見ていたっておかしくはない。


花恋のことに気をとられていた。花恋のことを言い訳にしていた。


由佳里なら大丈夫だと、俺の中で勝手に由佳里を決めつけていた。


由佳里…すまねぇ。

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