あの日失った想い
「はよー!由佳里、仁美」




ビクッ!




私と仁美がじゃれ合ってると頭上からハルくんの声が響いた。…びっくりした。




「あ、おはよう!ハルくん。あと、郁麻くんも」




私がびっくりしたのは、ハルくんの大きな声もあったけど、いきなりの郁麻くんの登場かもしれない。





私たちの4人の間に重い沈黙が流れた。





しまった、やってしまった。




昨日あんなことがあったのに、急に話しかけたりしたら、迷惑極まりない。



私がビクビクしていると、郁麻くんは表情1つ崩さずに会釈してくれた。


ホッ、よかった。



私は胸を撫で下ろした。




…あれ?そういえば、仁美とハルくんって名前を呼ぶ仲だっけ?




私は郁麻くんのことに気を取られていたが、仁美はプイっとしていてハルくんを見ようとしていなかった。

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