あの日失った想い
「由佳里」


この態勢のまま彼が私に耳打ちしてきた。



………てか、今考えたら私たち、すごく恥ずかしい状態だったんだ。


急に自分の体が熱くなるのが丸わかりだった。


「ありがとな」


と言って、私の頭を撫でてきた。



……彼は緊張してないのだろうか。



なんで、こんなこと普通にできるのだろう。



でも、彼の匂いは落ち着いて、目を閉じかけてしまった。

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