あの日失った想い
彼女はお見舞いに来たと言って、俺の隣にある椅子に座った。


なんで来たんだ?


いろいろな思いが頭の中をぐるぐると駆け回る。


「ねぇ、郁麻。昨日はごめんなさい」

「は?」


急に口を開いた彼女にびっくりして、冷たい感じで対応してしまった。


彼女は一瞬ビクッとしたが、俺の目をちゃんと見て、理由を言ってくれた。

自分の気持ち…思っていたことを。



由佳里がなぜ、俺に怒っていたのか理由がはっきりと分かった。



俺は本当にダメなやつだな。


何も言えずに俺は黙って彼女の話を訊いた。

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