あの日失った想い
俺はそっと身体を彼女から離した。


あの甘ったるい匂いから離れると、少しだけ寂しいと感じてしまった。


彼女が目を開けて、俺と目が合うと、照れくさそうに視線を逸らしていた。





それからは彼女と世間話をした。


彼女はたくさん笑ってくれた。



今までの出来事が嘘のように。






俺はそんな彼女の笑顔が好き。



元気に、ときには戯けて笑う彼女の笑顔が。

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