あの日失った想い
「いいよ退院できたら。2人でも」

「…本当!?」

「あぁ」

「やったー!私、絶対楽しみにしとくよ!だから、郁麻、早く退院してね!」


由佳里は笑っていた。


彼女が俺とどこかへ出かけたい。と言ってくれたとき、心の底から嬉しいと思った。


少しだけ、彼女と出かけている姿を想像してしまう。


俺は自分の右手の小指を差し出した。

「由佳里。約束」

「うん!」


彼女と約束を交わした。

まだ果たせてない約束もあるが、これも絶対果たしてやる。




たくさん泣かしてしまった。だから、恩返しがしたい。


すぐに退院してやる。


待ってろ、由佳里。

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