あの日失った想い
彼女は目を見開いて驚いていた。


「何より、私はあなたと仲良くしたい。

修学旅行のことを許すのは時間がかかるかもしれない。でも、どれだけ時間が経っても、あなたのことを許していきたい」



私は彼女にニコッと笑った。一呼吸おいて、彼女は言った。



「あなた、本当にいい子ちゃんね」



「え?」



「でも、分かるわ。あの人があなたに惚れちゃうの」



花恋さんが涙を拭い、笑い混じりに呟いた。



あの人……?



「あたしね、あなたを誤解してたわ。
修学旅行のときも、この前も、いじわるしてごめんね」






花恋さんは私に頭をさげてくれた。





そっか。そうだったんだね。私は花恋さんのこと表だけしか見てなかったんだ。




私の中で、勝手に花恋さんを決めつけていた。この子は、酷い女の子だと。




郁麻のことがなかったら、この子とも友達になれたのかなー




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