あの日失った想い
「郁麻のお父さんは、たしかあなたが産まれる前に死んだよね?」



「あぁ。いきなりどうした?」



急な私の言葉に少し驚いていた。
でも、私は質問を続けた。




「郁麻はどうしてバスケをしようと思ったの?」



「んー、ハルの影響だな。あいつ昔っからバスケ一筋だからな」




彼はまだ不思議そうに私を見ている。








やっぱり、記憶が書き換えられていることに間違えはない。




郁麻、本当に辛い思いをしたんだね。





胸のあたりが熱くなった。



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