あの日失った想い
「あのね、私はお父さんとお母さんが大好きなんだ」



「?」



彼はハテナマークを頭に浮かべていた。

あたりまえのことだが。




「普通の会社員のお父さん。専業主婦のお母さん。そんな2人から、私は産まれてきたんだよ」



「あ…あぁ」




「今、あたりまえのことじゃないかって思ったでしょう?




そうだよ。あたりまえのことだよ。




でもさ、それってすごいことじゃない?



お父さんとお母さんが出逢って、結婚したから私が産まれた。




この世に生を受けることができた。




私ねここに来る前、すごく親に愛されてるなって感じることができたんだよ」


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