あの日失った想い
「あなたの事情は分かったわ。



でも、本当にそれでいいの?



記憶の書き換えは容易だけど、それを元に戻すとなると、成功する確率は半分以下になるのよ」







半分以下……もしそれで手術に失敗したら、郁麻は……







「死んでしまうのよ。お父さんを失った。あなたまで失ったら、私はもう生きてはいけない………」






郁麻のお母さんの意見もごもっともだ。だが、この難しい選択をするのは郁麻自身だ。






私たちがどうこう言ったところで、郁麻の決断に従うまでだ。








郁麻、どう思っているの?





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