あの日失った想い
「ねぇ、郁麻。あなたが手術を受ける前に、私にしか出来ないことを見つけたって言ったでしょう?」



彼はあぁ、と頷いた。そして、私の頭を撫でた。


彼のことを話してるんだ。郁麻自身が1番よく分かっているはず。





「私にしか出来ないことはね、“あなたの傍にずっといること”





これから先、あなたはたくさんの苦難の壁にぶち当たる。辛い思いもすると思う。




だから私が隣にいて、悲しみも苦しみも全部拭うよ。





あなたの強いところも、弱いところも、笑顔も泣き顔も全部見たいんだ。








郁麻。私も、あなたと出逢ったときからずっと好きです」




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