あの日失った想い
「郁麻、どんなあなたも大好きだよ。だから、私に独り占めさせて下さい」




「………っ」




私の目からはまた涙が零れている。両想いだったことだけじゃない。




彼が私を必要としてくれたことが嬉しかった。






だから、今度は私から抱きついた。大好きな彼に、私の身体を預けた。




「……由佳里」




「んー?」




「お前、かわいすぎるだろ」




「そう?ありがとう」




郁麻の胸元に顔を埋めているため、彼の表情は伺えなかった。



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