あの日失った想い
それからは、趣味の話や初恋とかの話で盛り上がった。楽しかった。



時はすぐに経ち、私たちの学校に帰る時間になった。



バスの中ではほとんどの人が眠っていた。



仁美も隣で規則正しい音を立てて目を目を閉じていた。



私も朝は眠かったが、今は考え事をしていたので、それどころではなかった。



みんな、それぞれ自分の得意なことがある。




仁美はサックス。郁麻とハルはバスケ。




……だけど、私は何も無いんだ。 じゃあ、私のしたいことって何?






分からない。




だけど、変われる気がする。



いや、気がするだけじゃダメなんだ。変わらなきゃ。






この日、私が少し成長できた初めての日。


自分の力で前へ踏み出した。





変わるんだ。何も無い自分から。

< 34 / 282 >

この作品をシェア

pagetop