あの日失った想い
第2章

私と彼の距離

春研が終わって数日後。



私はいつもどうり朝練帰りの仁美と話していた。でも、今までと変わったことがある。



「仁美、由佳里はよー」


「おはよう」



ハルと郁麻が私たちに挨拶をしてくれた。



私は笑顔で手を振った。



そう。変わったことと言えばこれだ。




春期研修を通して、私たち4人は一緒にいることが多くなった。



仲を深めることが出来たのだ。




私はこれが嬉しくてたまらない。




なにしろ、再開したときはすれ違っていた郁麻とまた話せるようになったからだ。



…て言っても、郁麻は無口なのだが。そして、無表情だ。



私は郁麻をチラ見した。やっぱり私は思うのだ。









彼の笑顔を見たい。と。
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