あの日失った想い
私は昨日の出来事を仁美に話した。
仁美と別れて、あの後郁麻に会ったことを。



思い出しただけでも、顔が綻んでしまう。


彼のバスケがあまりにもかっこよかった。
…いや、かっこよすぎた。


そして、何より彼が私の名前を呼んでくれた。


私にとっては、それが1番嬉しかった。


仁美は私の話を「へー」とか「おー!」とかあいずちを取って訊いてくれた。




「それで?由佳里は郁麻のこと、どう思ってるの?」

話をし終えた後、仁美に訊かれた。

え?どう思ってるのか……そんなの決まっている。


「友達だよ!」

私はニコッと笑った。が、彼女は私とは反対に、しぶい顔をしていた。


「そ、そう…なの」
「ん?」

仁美の反応は少しだけ疑問に思ったけど、とりあえず気にしなかった。

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